「イルミネーションで街や地域を盛り上げたいが、予算の確保が難しい」「イルミネーション導入に補助金を使えないか」
上記のように考える地方自治体や商店街の担当者様も多いのではないでしょうか。
イルミネーション導入には、国や自治体の補助金を活用できる場合があります。
ただし、補助金の交付を受けるには、事業計画で要件を満たし審査に通る必要があり、念入りな準備が不可欠です。
本記事では、国や自治体が提供する補助金制度の概要から、イルミネーション導入に活用できる主な補助金の種類、申請手順と採択率を上げる事業計画のコツまで、網羅的に解説します。
イルミネーション導入に使える補助金の概要

補助金とは、国や自治体が地域経済の活性化や観光振興といった政策目的を達成するために、事業者に資金を給付する制度です。
イルミネーション事業が「地域の新たな魅力を創出し、交流人口の増加に貢献する」といった目的と合致する場合、補助金の対象となります。
ただし、すべての補助金がイルミネーションに活用できるわけではなく、主に地域振興や賑わい創出を目的とした制度です。
「LEDイルミネーションならLED照明の補助金が使えるのでは?」と思われがちですが、LED照明導入を対象とした補助金は省エネルギーが目的のため、装飾が目的の設備には適用されないのでご注意ください。
補助金制度を正しく理解し、事業目的と合致する補助金を選択しましょう。
補助金によるイルミネーション導入で期待される3つの効果

以下では、補助金を活用してイルミネーションを導入すると得られる3つの効果を解説します。
1. 観光誘致と雇用創出による経済効果
イルミネーションは夜間やオフシーズンの新たな観光資源となり、高い集客力で地域経済に好循環を生み出す効果的な催しです。
来場者の増加は、周辺の飲食店、宿泊施設、小売店などの売上向上に直結します。
一例として、栃木県のあしかがフラワーパークのイルミネーションイベント「光の花の庭」は、花の少ない冬季の集客で地域に多大な経済効果をもたらしました。
イルミネーションイベントは企画やデザイン・施工・警備・メンテナンスといった新たな雇用を生み、地域経済の起爆剤となる可能性もあります。
2.地域の誇り醸成とブランド化
イルミネーションが生み出す美しい景観は、地域住民にとって街への愛着や誇りを育むきっかけとなります。
子どもからお年寄りまで、世代を問わず楽しめるイルミネーションは、地域の認知度やブランドイメージの向上に効果的です。
さらに、イルミネーションイベントがメディアやSNSで取り上げられれば、広告費をかけずに地域の魅力が広く拡散されます。
副次的効果として、新たな関係人口の創出にもつながります。
3.防犯効果
夜間の街を明るく照らすことで、犯罪の抑止につながる点もイルミネーション導入のメリットです。
街全体の照度を上げると見通しが良くなり、犯罪者が隠れられない物理的な防犯対策となります。
多くの人々が行き交い、見守りの目が増えることで、さらに犯罪抑止効果が高まります。
イルミネーションに使える主な補助金・助成金一覧

イルミネーション事業に活用できる可能性のある補助金や助成金は、国や自治体、関連財団などから多数用意されています。
以下では、代表的な制度をいくつかご紹介します。
| 制度名 | 実施機関 | 対象事業の例 | 補助率・上限額(目安) |
|---|---|---|---|
| 建造物等のライトアップモデル事業費助成金 ※1 | 東京観光財団 | 歴史的建造物、集客施設、橋梁などのライトアップ | 助成率: 2/3以内 上限額: 3,000万円 |
| ナイトタイム等における観光促進助成金 | 東京観光財団 | 夜間・早朝ならではの体験型コンテンツ造成 | 助成率: 2/3以内 上限額(区分A): 3,000万円 |
| 秋のライトアップモデル事業費助成金 | 東京観光財団 | 公園などの紅葉を活用した新規のライトアップ | 助成率: 10/10以内 上限額: 600万円 |
| 街を彩るイルミネーション装飾補助事業 | 東京都北区 | 商店街などが実施するイルミネーション装飾 | 補助率: 4/5以内 上限額: 300万円 |
| 商店街賑わいづくり支援事業補助金 | 千葉県船橋市 | 商店街の活性化に資するイベント(イルミネーション含む) | 補助率: 1/2以内 上限額(装飾): 100万円 |
| 商業振興事業費補助金 | 愛知県 | 地域商業の活性化を目的としたイベントなど | 補助率: 20~40%以内 上限額: 90万円 |
| イルミネーションフェスティバル補助金 | 愛知県豊橋市 | 中心市街地でのにぎわい創出イベント | 補助率: 1/3以内 上限額: 50万円 |
| 夜間景観形成支援制度 | 兵庫県神戸市 | 建造物のライトアップにかかる設計費・工事費 | 補助率: 1/3または1/2以内 上限額: 200万円 |
※1 建造物等のライトアップモデル事業費助成金は、以下の要件を全て満たした場合は1団体上限6,000万円の助成金を受けられます。
- 所有する複数の建造物・モニュメント等をライトアップするもの
- ライトアップのコンセプトやデザインに統一性があること
- エリア全体の活性化に寄与するもの
上記は2025年度と過去の公募情報を含むため、最新の情報は必ず各実施機関の公式サイトでご確認ください。
イルミネーション導入補助金の申請から受給までの8ステップ

補助金の申請手続きは複雑なため、計画的に進めるには全体の流れを把握しておくことが不可欠です。
以下では、補助金の申請から受給までの一般的な流れを8つのステップで解説します。
| ステップ | 主なアクション |
|---|---|
| 1. 情報収集 | ・補助金ポータルサイトなどで公募情報を探す ・公募要領を熟読し、要件を確認する |
| 2. 事業計画の立案 | ・目的、内容、スケジュール、費用対効果を具体化する ・イルミネーション業者から見積もりを取得する |
| 3. 書類準備・申請 | ・申請書、事業計画書、収支予算書などを作成する ・指定された方法(郵送・電子申請)で期間内に提出する |
| 4. 審査・交付決定 | ・実施機関による書類審査やヒアリングが行われる ・審査結果が通知される |
| 5. 採択・交付申請 | ・採択された場合、正式な交付申請手続きを行う ・交付決定通知書を受け取る |
| 6. 事業開始 | ・交付決定後にイルミネーションの設置などを開始する ・経費の領収書など証拠書類をすべて保管する |
| 7. 実績報告・検査 | ・事業完了後、実績報告書を作成し提出する ・必要に応じて現地検査が行われる |
| 8. 確定・請求・交付 | ・報告書が承認されると補助金額が確定する ・請求書を提出し、指定口座に補助金が振り込まれる |
(参照元:経済産業省 中小企業庁「補助金とは」)
ステップ1:情報収集
まずは、ご自身の事業に合致する補助金を見つけることから始めます。
自治体のWebサイトや補助金のポータルサイトなどを活用し、公募情報を確認しましょう。
公募要領には、目的・対象者・対象経費・申請期間など重要な情報がすべて記載されているため、要件を把握し、申請可能な補助金を選択してください。
ステップ2:事業計画の立案
続いて、イルミネーションの事業計画を立案します。
「なぜイルミネーションを行うのか」「それによって地域にどのような良い影響があるのか」を明確にし、補助金の目的と事業計画の方向性を一致させることが重要です。
具体的なデザインや規模を固めたら、専門業者から見積もりを取得し、正確な予算を算出しましょう。
ステップ3:書類準備・申請
公募要領で指定された書類を漏れなく準備します。
補助金・助成金ごとに異なる様式が指定されているので、公式サイトで確認してください。
特に、事業計画書は審査員に事業の魅力と実現可能性を伝えるための重要な書類です。
図や写真などを用いて、誰が読んでも理解しやすい内容を心がけましょう。
ステップ4:審査・交付決定
申請書類が提出されると、実施機関による審査が行われます。
審査では、事業の公益性・新規性・実現可能性・費用対効果などが総合的に評価されることが一般的です。
審査を通過すると、採択の通知(内定)が届きます。
ステップ5:採択・交付申請
採択の通知を受けたら、速やかに補助金の交付を受けるための交付申請手続きを進めましょう。
交付申請が認められると、交付決定通知書が発行されます。
仮に事業内容を変更する場合には、イルミネーション事業に着手する前に別途手続きが必要です。
ステップ6:事業開始
交付決定通知書を受け取ったら、イルミネーション事業を開始できます。
計画に沿ってイルミネーションの設置やイベントの準備を進めましょう。
事業にかかった経費の領収書や契約書、写真などは、後の実績報告で必要となるため、すべて整理して保管してください。
ステップ7:実績報告・検査
事業が完了したら、定められた期間内に実績報告書を提出します。
実績報告書とは、事業計画通りに実施されたか、経費は適切に使われたかなどを報告する書類です。
提出後、事務局による書類確認や、場合によっては現地での検査が行われます。
ステップ8:確定・請求・交付
実績報告が承認されると、最終的な補助金の額が確定します。
その後、請求書を提出し、手続きが完了すると指定の口座に補助金が振り込まれる流れです。
補助金の交付後も、事務局に事業の実施状況について定期的な報告が義務づけられていることが一般的です。
報告を怠らないよう留意しましょう。
イルミネーション導入に補助金を使う際の3つの注意点

補助金はイルミネーション事業を推進する大きなサポートとなり得ますが、注意点もあります。
イルミネーションの企画・計画段階から、以下の3つのポイントを理解しておきましょう。
1. 審査に通るとは限らない
事業計画が補助要件を満たさない場合には、審査に通りません。
また、補助金には予算があるため、応募者多数の場合に不採択となることもあります。
イルミネーションを導入したい場合は、補助金がなくても事業を縮小して実施できるか、代替案を検討しておきましょう。
不採択になった場合は理由を分析し、次回の公募に活かすことも大切です。
2. 交付決定まで事業に着手できない
申請後、審査を経て交付が決定されるまで数カ月かかる場合がありますが、その間の経費は原則として補助対象外です。
交付決定前の着手(事前着手)は基本的に認められないため、申請から事業開始までのスケジュールに余裕を持たせましょう。
交付申請が遅れると着手も遅れ、事業期間が短くなってしまう点にもご注意ください。
3. 交付は事業実施と報告の後になる
補助金は、事業が完了し、実績報告書が承認された後に支払われる「後払い」が基本です。
事業実施に必要な資金は、一時的に自己資金や融資で立て替える必要があります。
初期費用に補助金を頼るのではなく、資金計画を立ててから事業計画を作成しましょう。
イルミネーション導入で補助金の採択率を高める2つのポイント

数多くの申請の中から採択されるためには、計画の魅力を審査員に的確に伝える工夫が必要です。
以下では、採択率を高めるために特に重要な2つのポイントを解説します。
事業の目的と地域への貢献度を明確にする
事業計画書では、「なぜこのイルミネーション事業が必要なのか」を明確に訴えることが重要です。
補助金制度の趣旨や、地域が抱える課題(例:夜間の賑わい不足、観光客の減少など)と結びつけましょう。
「この事業を通じて、地域がこのように良くなる」とbefore、afterのストーリーを具体的に描くことで、審査員の共感を得やすくなります。
【企画の例】
- 地域の歴史や文化をテーマにしたデザインを取り入れる
- 地元商店街や観光協会、学校などと連携した企画を盛り込む
- イベントの収益の一部を地域の活動に寄付する計画を示す
実現可能性と費用対効果を客観的な数値で示す
情熱だけでなく、計画が着実に実行可能であることを客観的なデータで示す必要があります。
具体的な実施体制、詳細なスケジュール、過去の類似イベントのデータに基づく集客予測などを盛り込みましょう。
| 費用の項目 | 金額(例) | 効果の項目 | 予測値(例) |
|---|---|---|---|
| イルミネーション機材費 | 300万円 | イベント期間中の来場者数 | 5万人 |
| 設置・撤去費 | 100万円 | 周辺店舗の売上増加額 | 500万円 |
| 電気代・維持費 | 50万円 | メディア掲載による広告換算値 | 200万円 |
| 合計費用 | 450万円 | 期待される経済効果 | 700万円 |
投じる費用に対し見込める効果を数値で示すことで、計画の妥当性をアピールできます。
特に、LED照明の導入によるランニングコストの削減効果などは、費用対効果を高める上で有効な要素です。
補助金を活用したイルミネーション導入なら株式会社メディックにおまかせ

イルミネーション事業で補助金を受ける場合は、申請からデザイン・設計、施工、メンテナンスまで、広範囲にわたる専門知識が必要です。
短い公募期間内で質の高い事業計画を策定するためには、プロのサポートを得ることを推奨します。
株式会社メディックは、40年以上にわたり商業施設や公共空間の装飾、演出を手掛けてきた実績とノウハウがあります。
- 集客につながるデザイン:SNS映えするフォトジェニックな空間を演出し、集客効果を最大化します。
- ワンストップ対応:企画からデザイン、施工、アフターメンテナンスまで一貫して対応し、担当者様の負担を軽減します。
複雑な手続きや専門的なデザインはプロに任せたいとお考えでしたら、ぜひメディックにご相談ください。
まとめ:補助金を上手に活用し、イルミネーションで地域の未来を照らそう

イルミネーションの効果は、単なる夜間の装飾やライトアップに留まりません。
観光客を呼び込み、地域経済を潤し、住民の心に誇りを灯す、戦略的な地域活性化事業です。
導入費用に国や自治体の補助金・助成金制度を活用すると、持続的な集客につながるイルミネーションの導入が可能です。
申請が採択されるためにも、補助金の要件を正しく理解し、事業の目的や地域への貢献度を明確にした事業計画を作成しましょう。
株式会社メディックでは、補助金の採択につながる集客効果の高いイルミネーションの企画・制作が可能です。
専属デザイナーがお客様一人ひとりのご要望をヒアリングし、独自性の高いイルミネーションをデザインいたします。
補助金を活用して新しい地域の顔となるイルミネーションの設置をお考えでしたら、ぜひ株式会社メディックまでお問い合わせください。