店舗の前やイベント会場、展示会、キャンペーンなど、さまざまな場面で目にする「のぼり旗」。そのカラフルでダイナミックなデザインは、通りかかった人々の目を引き、自然と店舗や商品の存在を印象づけます。近年では、設置のしやすさやコストパフォーマンスの良さから、販売促進の定番アイテムとして多くの企業・店舗に採用されています。
本記事では、そんなのぼりのサイズや形状、生地の種類の違いについて詳しく解説します。目的や設置場所に合わせた最適なのぼり選びの参考にしてください。
のぼりが販売促進で人気の理由

のぼりは、古くから日本で使われてきた宣伝ツールのひとつです。現在でもその人気は衰えることなく、むしろデザイン技術や印刷技術の向上により、より多様な用途で活用されています。
その最大の魅力は「気軽に設置できる」ことです。ポールとスタンドがあれば、誰でも簡単に設置・撤去が可能。工具や専門知識は不要で、イベントやセールなど期間限定の販促にもぴったりです。
さらに、のぼりは「遠目からでも目に入りやすい」という特徴を持っています。近隣店舗への配慮や設置箇所に気を付けるのはもちろんですが、高さがあり、風を受けてはためく姿は、歩行者はもちろん、車で通り過ぎる人の視界にも自然と飛び込んできます。動きのある広告媒体として、チラシやポスターにはない視覚的な訴求効果が期待できるのです。
のぼりの生地の種類と特徴
のぼりに使われる生地には、いくつかの種類があります。使用する場所や期間、目的に合わせて選ぶことで、見た目の印象や耐久性が大きく変わります。ここでは代表的な4種類の生地について紹介します。

ポンジ
のぼり旗の生地として最もスタンダードで多くの場面に使用されている素材が「ポンジ」です。薄くて軽量な生地のため、風をしっかりと受けてはためき、遠くからでも視線を引きつける効果があります。その動きが自然なアピールとなり、店舗前やイベント会場などでの集客・販促に非常に効果的です。
また、裏抜け性が高いこともポンジの大きな特長です。表面に印刷した文字や絵柄が裏面からもはっきりと確認できるため、のぼりをどの方向から見ても訴求内容をしっかりと伝えることができます。デザイン性と実用性を両立した万能な生地といえるでしょう。
さらに、他の生地に比べて軽量で価格がリーズナブルなため、大量制作にも最適です。季節ごとにデザインを変える販促や、短期イベント用ののぼりとして、コストを抑えながら効果的なプロモーションを実現できます。
生地が薄い分、雨に濡れても乾きやすいのも嬉しいポイントです。設置後のメンテナンスが少なく、扱いやすいことから、多くの企業や店舗で長年愛用されています。
ただし、細い糸で織られているため耐久性はやや低く、長期の屋外使用には不向きです。目安としては、屋外環境での交換時期はおよそ3ヶ月程度。短期間で効果的にアピールしたい場合や、季節・イベントごとに新しいデザインを展開したい場合に、特におすすめの素材です。
トロピカル
ポンジの約2倍の太さの糸を使用して織られた生地で、ポンジに比べて格段に耐久性が高いのが特徴です。生地にしっかりとした厚みがあり、屋外で風に揺られても破れにくく、長期間美しい状態を保ちます。そのため、日光や雨風にさらされる環境でも安心してご使用いただけます。
また、生地が厚いため裏抜け(インクが裏面に透けて見える現象)が起こりにくく、表面のデザインをよりはっきりと見せることができます。発色も鮮やかで、文字やロゴを美しく引き立てるため、のぼりや旗類だけでなく、紅白幕や法被などの装飾品にも広く使用されています。
しっかりとした質感と織りの密度によって、手触りにも上質感があり、やや光沢のある見た目が印象的です。比較的長期間の使用に耐えうる素材ですが、屋外設置での交換目安はおおよそ6ヶ月程度。季節ごとのイベントやキャンペーン用としても最適なバランスの取れた生地です。
ツイル
トロピカルと同様に、ポンジの約2倍の太さの糸を使用して織り上げられた生地で、綾織り(ツイル織り)特有の強度としなやかさを兼ね備えています。そのため、繰り返し風を受けても型崩れしにくく、耐久性に非常に優れた素材です。
もともと社旗や国旗など、屋外で長期間掲げられる旗の定番素材としても採用されており、雨風や紫外線に対して強く、色あせやほつれを防ぎます。また、しわになりにくい性質を持つため、設置後も美しい形を保ち続けるのが特徴です。
さらに、表面にはほどよい光沢感があり、発色の良さと上品なツヤがデザインを一層引き立てます。高級感のある仕上がりになるため、店舗やイベントでブランドイメージを大切にしたい場合にも最適です。
交換の目安は約1年程度。長期間の屋外使用にも十分耐えうる、信頼性の高い生地といえるでしょう。
天竺(てんじく)
「天竺(てんじく)」とは、木綿で織られた織物で、古くから日本で親しまれてきた伝統的な生地です。のぼり旗の素材としても長い歴史を持ち、かつては多くの店舗や行事で天竺のぼりが使われていました。現在でも、神社やお祭り、歌舞伎、相撲などの格式ある場面でその姿を見ることができます。
天竺の最大の魅力は、何といってもその独特の風合いと温かみのある質感です。木綿ならではの柔らかな手触りと、少しざらりとした織り目が、見る人にどこか懐かしさや「和」の情緒を感じさせます。そのため、和食料理店、旅館、酒蔵、老舗店舗など、落ち着いた雰囲気や日本的な空気感を大切にする空間にぴったりの素材です。
また、見た目にも高級感のある上品な仕上がりとなるため、装飾の一部としても存在感を発揮します。伝統と気品を兼ね備えた印象を与えることができ、ブランドイメージをより格調高く演出します。
実用面でも優れており、木綿の繊維構造によってポリエステル系素材に比べて耐久性が高いのが特徴です。日差しや風にも強く、長期間屋外に掲げても形崩れしにくいため、安心して使用できます。
交換の目安は約1年程度。適切なメンテナンスを行えば、さらに長持ちさせることも可能です。
伝統的で上質な印象を求めるなら、天竺はまさに最適な素材といえるでしょう。古き良き日本の美意識を現代の空間に取り入れることで、他にはない存在感を演出できます。
のぼりのサイズと用途の違い

のぼりには設置場所や用途に応じて、さまざまなサイズがあります。ここでは代表的な3つのサイズを紹介します。
- 卓上ミニのぼり(W100×H300mm)
小型で可愛らしい印象の卓上ミニのぼりは、レジ横やカウンター、展示台の上など、屋内の販促に最適です。限られたスペースでも設置できるため、飲食店や物販店などで「新メニュー」や「おすすめ商品」をアピールするのに効果的です。ノベルティやイベントの景品としても人気があります。 - レギュラーサイズのぼり(W600×H1800mm)
もっとも一般的なのがこのサイズです。街中で見かける多くののぼりがこのW600×H1800mmサイズで、視認性・設置性・コストのバランスに優れています。店舗前や歩道沿いなどに設置することで、遠くからでもはっきりと内容を伝えることができます。
飲食店のランチ告知や、不動産、カーショップなどあらゆる業種で使用される万能サイズといえます。 - 特大のぼり(W900×H2700mm)
よりインパクトを求める場合には、W900×H2700mmの特大サイズが効果的です。高さがあるため、建物の2階付近にも届く視認性を誇り、遠く離れた場所からでも目立ちます。大型店舗やイベント会場、駐車場の入り口など、広いスペースに設置すると圧倒的な存在感を放ちます。
ただし、設置には専用のポールやスタンドが必要になる場合があるため、設置環境を事前に確認しておくことが大切です。
のぼりの形状の種類と特徴

床面グラフィックの利点
のぼりの形状も、実はさまざまなバリエーションがあります。デザインだけでなく、形状を工夫することで、より高い訴求効果を得ることができます。
- レギュラーのぼり
もっともスタンダードな形が「レギュラーのぼり」です。上部と左側にチチ(ポールを通す輪)が付いており、四角いシルエットが特徴です。シンプルでどんなデザインにも合うため、汎用性が高く、どの業種でも安心して使えます。 - スウィングバナー(変形のぼり)
スウィングバナーは、風を受けたときにしなやかに揺れる独特の動きが特徴ののぼりです。先端がカーブしたような形状で、従来の直線的なのぼりに比べて動きがあり、デザイン性が高い印象を与えます。イベントやスポーツ大会など、活気やエネルギーを表現したい場面におすすめです。 - エアロバナー
エアロバナーは、特徴的な形状と曲線的なフォルムが目を引くタイプののぼりです。視覚的なインパクトが非常に強く、スタイリッシュな印象を与えます。設置すると風を受けても形が崩れにくく、ブランドロゴや写真をきれいに見せたい場合に最適です。自動車ディーラーやアパレルショップなど、デザイン重視の店舗によく採用されています。
まとめ:目的に合った「のぼり選び」で販促効果を最大化
のぼりは、簡単に設置できて視覚効果も高く、コストパフォーマンスに優れた販促ツールです。
ただし、素材・サイズ・形状を目的に合わせて選ぶことで、その効果はさらに高まります。
- 短期イベントや大量設置 → ポンジ素材 × レギュラーサイズ
- 長期利用や屋外設置 → トロピカルやツイル素材
- 和の雰囲気を演出したい → 天竺素材
- 店舗前で定番訴求 → レギュラーのぼり
- 動きやデザイン性を重視 → スウィングバナー・エアロバナー
のぼりは、ただ設置するだけでなく、どんな印象を与えたいか・どんな場所に置くかを考えて選ぶことで、より高い集客・販促効果を発揮します。自社のブランドや目的にぴったり合ったのぼりを選び、効果的なプロモーションに役立てましょう。
