「フラッシュプリントで不思議な写真を撮れる仕組みは?」「フラッシュプリントをSNS拡散や集客に活かすノウハウを知りたい」
上記のように考えるイベント企画担当者の方も多いのではないでしょうか。
フラッシュプリントは、普段は見えない絵柄がスマートフォンのフラッシュを当てることで浮かび上がる特殊な印刷技術です。
商業施設やイベントにフラッシュプリントを活用すると、来場者に驚きと感動を与え、SNS拡散による集客効果が期待できます。
本記事では、フラッシュプリントの不思議な仕組みから具体的な活用事例、企画・設置時の注意点を、専門家の視点で解説します。
フラッシュプリントとは?

フラッシュプリントとは、スマートフォンのフラッシュなど強い光を当てると、隠れたデザインが浮かび上がる特殊な印刷技術です。
通常の光の下では普通の印刷物にしか見えませんが、フラッシュ撮影をすると、隠されたメッセージやイラストが現れるサプライズを演出できます。
絵柄を見るだけでなく撮って楽しむ参加型の体験が、見る人の心をつかみ、SNSでの共有を促す強力なきっかけとなるのが特長です。
フラッシュプリントの仕組み

以下では、フラッシュの光を当てるだけで隠れた絵柄が浮かび上がる、フラッシュプリントの2つの仕組みを解説します。
再帰性反射の原理を利用する
フラッシュプリントには再帰性反射と呼ばれる光学現象が利用されています。
再帰性反射とは、入射した光を同じ方向に反射し返す光の現象を指し、道路標識や自転車のリフレクターで使われている技術と同じ原理です。
一般的な反射との違いを以下に整理しました。
| 項目 | 再帰性反射 | 一般的な反射(乱反射) | 
|---|---|---|
| 光の進み方 | 光源に向かってまっすぐ戻る | さまざまな方向に拡散する | 
| 特徴 | 特定の方向から見ると強く光って見える | どの角度から見ても見え方は変わらない | 
| 身近な例 | 夜間の道路標識、自転車の反射材、作業員の安全ベストなど | 紙、壁、布など身の回りのほとんどの物 | 
道路標識が夜間に車のライトを受けて明るく見えるのは、再帰性反射の原理が使われているからです。
フラッシュプリントも基本的に同じ原理を応用しています。
特殊インクの効果で画が変わる
フラッシュプリントでは、通常のインクに加えて、特殊インクを使用します。
特殊インクには光を反射する微細な粒子(ガラスビーズ)が含まれており、フラッシュ光に反応して明るく光る仕組みです。
視覚で捉えられないほどの小さなビーズの粒子が、インク層の中でレンズとして働き、先述した再帰性反射を起こして見た目の絵柄を変化させます。
| ガラスビーズの主な役割 | 説明 | 
|---|---|
| 集光 | スマートフォンのフラッシュなど、外部からの光を内部に集める | 
| 反射 | 集めた光を、光が差す方向(光源)へ正確に送り返す | 
特にスマートフォンのカメラで撮影する場合、レンズ(見る人の視点)とフラッシュ(光源)の位置が近い環境にあります。
そのため、ガラスビーズで反射された光が光源(カメラ)に返り、撮影した写真では特殊インクの部分だけが明るく光って見えるのです。
フラッシュプリントの仕組みを集客に活かす3つのメリット

フラッシュプリントの仕組みと特性を理解すれば、集客効果を高めることも可能です。
フラッシュプリントを集客に活かす主なメリットは、以下の4つです。
インタラクティブな体験価値を提供できる
フラッシュプリントは来場者が能動的に参加する体験を生み出します。
単に見るだけでなく、スマートフォンで自ら撮影するアクションが求められるからです。
来場者が自ら発見する体験型コンテンツは記憶に残りやすく、商品やブランドへの関心を深めるきっかけにもなり得ます。
SNS拡散との相性が良い
不思議な写真が誰かに共有したくなる動機を与え、SNSでの拡散力が高くなることもフラッシュプリントの特徴です。
不思議な写真のような話題性のあるコンテンツは、InstagramのストーリーズやX(旧Twitter)、TikTokなどで「#フラッシュプリント」といったハッシュタグを付けて投稿されやすいといえます。
ユーザーが自発的に生み出すコンテンツ(UGC)は、一般的に企業が発信する広告よりも信頼されやすい傾向があり、コストを抑えながらPR効果が期待できます。
設置場所のサイズや形状を選ばない
フラッシュプリントは特殊な印刷技術のため、設置場所の制約が少ないこともメリットです。
小さなステッカーサイズから大型の壁面装飾まで、用途に応じてサイズを調整でき、曲面や不規則な形状にも対応できるため、既存の建築物に合わせた設置が可能です。
印刷するだけで、壁面や床、天井、柱などさまざまな場所に設置でき、電源や特別な設備が不要なので、設置作業も比較的簡単です。
イベント期間中のみの短期設置にも適しており、施設の新たな魅力づくりに貢献します。
フラッシュプリントの活用シーンと事例4選

フラッシュプリントは、アイデア次第でさまざまなシーンに応用できます。
以下では、具体的な活用事例を4つご紹介します。
季節イベント
商業施設などの季節イベントは、フラッシュプリントによるサプライズ演出と相性の良い企画です。
以下の企画では季節限定の特別感で集客効果を高めることも可能です。
- ハロウィン: 何も描かれていない壁にフラッシュを当てると、お化けやモンスターの絵が浮かび上がる。
- クリスマス: シンプルなクリスマスカードに見えて、フラッシュ撮影すると「Merry Christmas!」の隠しメッセージが現れる。
- バレンタイン: チョコレートのパッケージに、フラッシュでハートマークや愛のメッセージが浮かび上がる仕掛けを施す。
イベントのテーマに合わせたデザインや、プレゼント企画と連動させると、参加者の体験価値をより一層高められます。
告知・広告
駅構内や空きスペースでの告知・広告にフラッシュプリントを活用する事例が増えています。
特殊な仕組みで通り過ぎる人の足を止める効果があるためです。
普段は見過ごされがちなポスターや広告も、フラッシュプリントなら注目を集められます。
「フラッシュで撮ってみて」とメッセージを添えれば、多くの人が試したくなります。
例えば、撮影後に現れるクーポンコードやキャンペーン情報で具体的なアクションにつなげることも可能です。
フラッシュプリントを使った広告・告知は地域振興の取り組みでも活用されており、観光スポットの魅力を伝える新しい手法として注目されています。
体験型イベント
スタンプラリーや謎解きイベントにフラッシュプリントを組み込む事例も増加しています。
参加者の興味を持続させる仕掛けとして効果的なためです。
以下はその一例です。
- 謎解きイベント: 壁や床にフラッシュを当てると、次の謎を解くためのヒントや暗号が浮かび上がる。
- スタンプラリー: 各チェックポイントで、フラッシュ撮影をすると、スタンプの代わりとなる隠しキーワードを集める。
謎解きやスタンプラリーでは、各チェックポイントでフラッシュ撮影をするたびにコレクション欲が刺激され、最後まで参加したくなる仕掛けになります。
イベントにストーリー性を持たせることで、参加者を施設やブランドの世界観により深く引き込み、ファン化につなげることも可能です。
フォトブース・フォトスポット
ショッピングモールやホテルロビーのフォトスポットとして、フラッシュプリントを活用する施設が増えています。
特殊な仕掛けのあるフォトスポットには特別感を演出し、撮影体験の質を向上させる効果があるためです。
例えば、来場者が撮影すると、普通の背景から豪華な装飾や人気キャラクターが浮かび上がる仕掛けなどが来場者に好評です。
同じ場所で複数パターンの写真を撮影できるため、滞在時間の延長が期待できます。
ホテルロビーでは、宿泊客の記念写真撮影スポットとしても設置可能です。
SNSでの投稿を促すと、来場者自身が広告塔となり、ホテルの認知度向上やマーケティング効果も期待できます。
フラッシュプリントの制作は株式会社メディックにおまかせ
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フラッシュプリントの導入を検討する際、自社での制作を考える方も多いでしょう。
しかし、高品質で集客効果の高い制作物を求めるなら、専門の制作会社へ依頼するほうが確実です。
フラッシュプリントは特殊な印刷設備が必要で、一度きりのために自社で設備を導入するのは、あまり現実的ではありません。
株式会社メディックでは、お客様の目的やご予算に合わせ、企画・デザインから最適な素材の選定、設置・施工までワンストップで対応いたします。
経験豊富なスタッフが、集客やSNSでの話題作りにつながる最適なフラッシュプリントを提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
フラッシュプリント導入時の5つの注意点

フラッシュプリントを導入する際には、効果を最大限に引き出すために、以下の注意点を押さえておきましょう。
強い光源下の設置は避ける
フラッシュプリントは、フラッシュ光とのコントラストで効果を発揮します。
直射日光が当たる屋外や、強いスポットライトが常に当たっている明るすぎる場所は、絵柄の変化がわかりにくくなる傾向があります。
そのため、屋内であっても、天井照明が強すぎる場合は、照明の調整や設置場所の変更を検討しましょう。
フラッシュプリントは比較的暗めの屋内や夜間のイベントなどで使用するほうが、より劇的なサプライズ効果が期待できます。
明度差・濃度差のあるデザインを選ぶ
フラッシュプリントの効果を最大化するには、明度差や濃度差のあるデザインが重要です。
一般的には、背景色とフラッシュ時に現れる部分のコントラストが大きいほど、はっきりとした変化を演出できます。
- 良い例: 暗い色の背景(黒、紺など)から、明るい絵柄(白、黄色など)が浮かび上がるデザイン。
- 悪い例: 明るい色の背景から、明るい絵柄が浮かび上がるデザイン。
デザイン制作時は、フラッシュあり・なしの両方の状態を想定する必要があります。
通常時に見える部分とフラッシュ時に現れる部分のバランスを考慮し、どちらも魅力的に見えるよう調整しましょう。
専門のデザイナーと相談しながら進めると、より目を引くデザインを作成できます。
撮影方法の指示・案内が必要
フラッシュプリントの効果を体験してもらうには、来場者に対する撮影方法の案内が欠かせません。
まず、特殊な仕掛けがあると気付いてもらうこと、次に適切な距離や角度、フラッシュの設定を伝える工夫が必要です。
「1m離れて撮影」「フラッシュをオンにして撮影」などの具体的な指示を表示しましょう。スタッフが口頭で案内したり、QRコードで撮影方法の動画を見せたりする方法もおすすめです。
撮影のコツを伝えることで、来場者の満足度を高められます。
スマートフォンの機種によって見え方が異なる場合がある
スマートフォンの機種によって、フラッシュの光量やカメラレンズの位置が微妙に異なるため、機種によっては隠しデザインの見え方が若干変わる可能性があります。
ほとんどの場合、問題なく楽しめますが、事前に代表的な機種でテスト撮影をしておくと、より安心です。
必要に応じて、複数のデザインパターンを用意したり、設置場所を調整したりする対策を検討し、幅広い機種でサプライズを体験してもらえるよう工夫しましょう。
フラッシュプリントの仕組みを理解しSNS拡散・集客につなげよう

フラッシュプリントは再帰性反射の原理と特殊インクの仕組みにより、見る人にサプライズを提供します。
単なる印刷技術に留まらず、来場者の参加を促しSNSでの拡散を生み出す、強力なコミュニケーションツールとなり得ることがフラッシュプリントの強みです。
イベントの集客や広告の差別化、商品の付加価値向上など、フラッシュプリントを集客の企画に検討している方は、施設装飾のプロフェッショナルである株式会社メディックにご相談ください。
現場や技術に精通した専属デザイナーが、お客様一人ひとりに寄り添い、一連の制作フローを丁寧にサポートいたします。
